今日は土曜日。亀田の風天というところに家族でまぜそばを食べに行った。美味しかった。
家族でいっしょに過ごす時間は貴重だがたまにはヴィネスパに行ってゆっくり温泉に浸かりたい。
交代級数
今日も解析入門 I を読んでいる。交代級数
1−21+31−41+⋯=n=1∑∞n(−1)n−1
は n→∞ のとき log2 に収束する。この証明がテクニカルで面白い。積分を使うのだ。
まず任意に n∈N を固定し、x=−1 で等比数列の第 n 項までの和
1−x+x2−x3+⋯+(−x)n−1=1+x1−(−x)n
を考える。移項して
1+x1=1−x+x2−x3+⋯+(−x)n−1+1+x(−x)n
とし、両辺を 0 から 1 まで積分すると、最初の交代級数が現れる:
log2=1−21+31−41+⋯+n(−1)n−1+∫011+x(−x)ndx
あとは ∫011+x(−x)ndx→0 (n→∞) を示せばよい。0≤x≤1 のとき 0≤1+xxn≤xn だから n→0 のとき
∫011+x(−x)ndx=(−1)n∫011+xxndx=∫011+xxndx≤∫01xndx=n+11→0
となる。よって (2) の両辺を n→∞ とすると
n=1∑∞n(−1)n−1=log2
となる。
2 の自然対数によれば log2 は超越数らしい。整数の逆数和を規則的に足し引きした級数が超越数に収束するのはとても不思議だ。有限和ならどこで切っても有理数、無限にすると無理数(しかも Q の代数閉包にすら入らない)。有限から無限への跳躍は凄まじい。
項の順序を変える
級数 (1) は条件収束するが絶対収束しない。絶対収束しないから項の順序を変えると極限が変わる場合がある。次のように項の順序を変えると log2 ではなく 23log2 に収束する:
1+31−21+51+71−41+⋯=23log2
sn=k=1∑nn(−1)n−1 とおくと n→∞limsn=log2 であるから n=1∑∞2n(−1)n−1=n→∞lim21sn=21log2 である。
つまり
21−41+61−81+⋯=21log2
である。級数 n=1∑2n(−1)n−1 の一般項を bn とする。ここで次のような数列を考える:
cn={0b2n(n is odd)(n is even)
tn=k=1∑nck とおく:
tn=0+21+0−41+0+61+0−81+⋯
t2n=21sn だから n→∞limtn=21log2 である。よって n→∞lim(sn+tn)=23log2 である。
ここで n→∞lim(sn+tn) は次のような和である:
n→∞lim(sn+tn)=(1+0)+(−21+21)+(31+0)+(−41−41)+(51+0)+(−61+61)+(71+0)+(−81−81)+⋯=1+0+31−21+51+0+71−41+⋯
0 のところは取り除いてよいので (3) が示された(厳密にやるには有限和を考える必要があるが、めんどくさいので省略する)。
足している数、引いている数は同じなのに極限が変わるのはとても不思議だ。
参考
解析入門 I